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和です。
24話2回目みたあと衝動で書いた明るめのシリアス。
これしか表現できなかった。
もし、最終回で誰も生き残らなかったら。

ざわざわと音が聞こえた。海の、潮が満ち引きする音だ。
ゆっくりと目を開けると、思った通り、そこには一面に広がる海があった。
ーどうしてこんな所に居るんだろう。
よく判らなくてきょろきょろと見回す。
自分の後ろにひっそりと建つ大きな建物を見てわかった。
ここは、ソレスタルビーイングの地球にある基地だ。
モラリア紛争の後ロックオンに殴られ、トリニティとの対戦後には銃口まで向けられた場所。
そういえば他には誰もいないのだろうか。
何度も来ているとは言っても、一人でここで過ごしたことはなかった。
来る時は一人でも、いつの間にか増えているのだ。
耳を澄ますと、誰かが砂を踏む音が聞こえた。
「おーい、刹那、何してんだ?」
ロックオンだ。
その向こうにはアレルヤとティエリアも見える。
…なんだ、皆居るんじゃないか。
ほっとして近づいていくと、彼らがパイロットスーツを着ていないことに気付いた。
皆、シャツにズボンといったラフな格好だ。
「ロックオン、パイロットスーツは?」
いつ出撃命令があるかわからないのに。
そう思って尋ねると、ロックオンはきょとんとした後、けらけらと笑い出した。
なにがそんなに面白かったのか、目に涙を浮かべている。
それを拭いながら、反対の手を俺の頭に乗せた。わしゃわしゃとかきむしられる。
「馬鹿だなぁ刹那。もうそんなの着なくていいんだぞ」
柔らかな声が響いた。
そしてその言葉がすとんと落ちる。
ーそうか、もう、そんなもの必要ないんだ。
「ロックオン、刹那!ご飯できてるよー!」
アレルヤが急かす。
ティエリアはもう席について、こちらの様子を窺っている。
「おぅ、今行く!」
ロックオンがそれに返事をして、2人の元に歩みはじめた。
着いていきながら足元を見ると、裸足だった。
自分もパイロットスーツなど着ていない。皆と同じ、ラフな格好だ。
そうだ、もうあれを着なくても良い。ガンダムに乗る必要も。
皆が微笑んでいる。ロックオンも、アレルヤも、ティエリアも。あんな笑顔を見るのは久しぶりかもしれない。
「どうしたの刹那。早く席につきなよ」
「冷めたら不味くなるぞ」
「ほら、早く食べようぜ」
「…あぁ」
足をもう一歩踏み出した。



俺たちの戦いは終わったんだ。


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